型付けの工程に続き、今回は染めの工程です。
ハンカチでご紹介したいと思います。
(だいぶ間が空いてしまい申し訳ありません・・・)
「ものあい」は古くからある、甕(かめ)を使って染めています。
コチラの写真の四角い板の下にそれぞれ藍甕があります。
甕のある部屋は跳ね返った藍で真っ青、いや、真っ藍。
歴史を感じます。


この甕の中に型つけをしたハンカチを入れます。
ただその前に、
ハンカチについたおがくずを掃き落として、
藍をしっかりとつけるための水にハンカチをくぐらせます。
そのまま藍に浸すとハンカチに空気が残って跡になってしまうので、
ハンカチにしっかりと水を浸透させます。
また、糊は濡れると落ちやすくなるため、慎重に行います。

そして、甕へ。
この時も糊が落ちないように慎重に行います。

慎重に行いますが、
でも、ムラがでないようするために、
すばやく甕に入れたり、
持つ場所を変えたり、
ハンカチについた空気を抜いたり、
ハンカチが折れないようにしたり、
と、ハンカチを動かすこともします。
それらを良い塩梅で甕の中で行い、ハンカチを染めていきます。

そして、甕からハンカチをだします。
甕から出したときの藍は、なんと、こんな色。

甕からあげたては、黄色~茶褐色のような色です。
これを酸化させることで、よく見るあの鮮やかな色に変わります。
ハンカチの場合は、酸水に浸けてサッと発色させます。
サッと発色させますが、しっかり全体が発色するように注意します。

ハンカチで水をはたくように、じゃばじゃばとして糊・余分についた藍を落とします。

この工程をハンカチ1枚1枚、丁寧に行っていきます。

染めあがったら、すすいで余分な藍を落として干します。
干して乾燥させることで藍を落ち着かせます。
そしてそして、もう1度すすいで、アイロンをかけて出来上がりです。

ちなみに。
甕は使った後、消石灰をふり、棒で混ぜて調子を整えます。
甕はなかなかの深さで、全体を均等にかき混ぜるのはなかなかの力仕事です。
甕をかくと中の色がでてきます。写真の甕は黄色っぽいですね。
表面が青いのは空気で発色しているためです。

以上が染めの工程です。
こんな感じに、じっくりと作っています。
これからも、ちょくちょくとものあいの手仕事の様子をご紹介していきます。